WELLBOND 拡散接合 情報館


HOME

活動・調査報告

拡散接合とは

拡散接合の実用例

拡散接合面は

拡散接合の原理

拡散接合の仲間

拡散接合の本

陽極接合

大橋修の経歴

WELLBOND

LINK

 

接合関連情報

拡散接合 Q&A

金属技術史

木目金の作り方

3.2   木目金材料の新接合法の考え方

 工業生産設備での接合部の性能は格段に優れています。1000万円以上の接合設備を使用しての接合ですから、接合部の性能が優れるのは当然です。木目金作家の簡単設備で、接合体の性能を高める接合方法は? 木目金作家の簡単設備で、工業設備での性能に近づけることができないのでしょうか。
 新潟大学在職時に研究室へ、鍛金作家A さんが「木目金用の金属積層接合」について相談に来ました。「木目金の接合は拡散接合と類似している」とのことでの技術相談でした。その相談内容は、
  (1)木目金作家の接合では、接合界面で剥離する。
  (2)時々、下図のように、部分溶融が発生して、積層接合ブロックができない。
  (3)積層接合ブロックの接合部の品質を高めるには。

  (4)工業設備を使うことなく、鍛金作家の身近な設備で、接合の性能を高めたい

melting

 接合に失敗した積層体ブロック

 長年の経験から接合部の性能を高めるポイントは次のようになります。

model

 ポイント1 (接合面への加圧法
 熱膨張で温度の上昇と共に自動的に加圧力が発生する接合ジグを考案しました。接合温度の上昇と共に絶えず接合面に加圧力が作用し、接合界面での空隙等の欠陥を減少させることができます。

 ポイント2  (酸化防止策
 接合面が酸化しない還元雰囲気の簡単作成法。木目金に使用する材料は、銀合金、銅合金、金合金です。還元燃焼炎で、これら材料の加熱箇所は酸化しません。大気を巻き込まないようにする必要があります。そこで、金属容器内(密閉されていない)で、木炭ともに、積層接合体を固定した熱膨張接合ジグとも加熱します。容器に蓋をして加熱しますと、容器内の木炭が加熱され、容器内は還元雰囲気となります。接合面の酸化を防止できます。
 
 ポイント3  (電気炉で接合条件の設定)

 工業的に異種金属の拡散接合が施工されています。現代の異種金属の拡散接合の知見を利用します。異種金属の接合条件の選定の考え方から、接合時間、接合温度を電気炉で設定。従来のような、接合界面での液相の発生を確認する必要がありません。酸化が少ない条件では、銅と銀の接合は、600〜700℃で十分です。また、接合時間も電気炉の大きさにもよりますが、最大2時間で十分です。この加熱条件を電気炉にセットすればOKです

 

 

 

 

戻る